まるで寄せ鍋のような母の水炊き

子供の頃、わが家の「冬の鍋」といえば水炊きでした。
おそらく母は、料理のできないまま結婚し、子沢山だったために料理を研究する暇もなかったので、それしか鍋料理を知らなかったのでしょう。

「水炊き」は、普通、昆布で出汁をとって、鶏と白菜などの野菜、きのこ類で作ります。
料理の苦手な人でも失敗しないし、素早く簡単につくれるありがたいメニューのひとつですよね。

うちの母の水炊きは、最初のうちこそ基本的な水炊きだったようですが、いつの頃からか牡蠣が入り、ホタテが入り、タラが、カニが・・・私が大人になる頃にはまるで寄せ鍋のような状態になっていました。

しかも、それを大根おろしがたっぷり入ったポン酢で食べるんです。
家族全員で食べるときは、小さい大根でしたらほぼ1本使いました。
しかも大根をおろすのはわたしたち子供の役目です。これがなかなか大変でした。

なんでもかんでも入る我が家の水炊き、おかげで美味しいダシが出て、最後は必ず雑炊で締めました。
大人になって料理本を見て、初めて水炊きはこんなにシンプルな鍋なんだと知りました。
でも、私の子供たちに作ってあげる水炊きは、やっぱり私の母流の水炊きです。

子供たちが一生懸命に大根をおろしているのを見ると、なんだか不思議な気持ちになります。

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